日記

冷蔵庫と微笑

飴(あめ)

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ようこそ 飴のブログ【遣らずの飴】へ
『遣らずの雨*1』って、なんとも切なく色っぽい言葉だと思いません?

おばんでやす、飴でございます。
1週間ぶりに夜ご飯でも作ろうかと台所に立ち、冷蔵庫を開けてみた。
元々料理をするのは嫌いだが、先週1週間というのは飯を炊いた記憶すらない。
ということで、台所の電気をつけ、まな板を置き、エプロンをきゅっと結ぶ。
サラダボールを台に出す。
腰をくの字にかがめ、野菜室を勢いよく引っ張り出して、覗き込んだ。
『・・・。』
野菜室はからっぽだった。
(誰だ。私の野菜を食べたのは…。)
私は考えた。
考えて、考えて、考え抜いた。
しかし、どうしてもそれは分からなかった。
最後に野菜室をあけたのは何時だったか。
どれだけ考えても、どうしても思い出すことが出来なかった。
私は自分の先週一週間を振り返り、そして落胆した。
夕食についての記憶はまっさらだった。
手帳だけがかろうじてそれを記録していた。
読み返しても、記憶はよみがえってはこなかった。
結局この難事件は未解決のまま幕を閉じた。
私は、考えるのをやめたのだ。
家主である私が、最後に野菜室を開けたのはいつか、
いったい誰が野菜室をからっぽにしたのか
謎は謎のまま、私を空腹に貶めた。
ただ云える事は、
飴は随分料理をしていないということ。
毎日、まとめ揚げした魚のフライを冷凍し、チンしてばかりだったということ。
日曜日は休みだったのにも拘らず、寝巻きのまま一日を過ごし、買い物しなかったということ。
けれども、それだけというワケでもなかった。
だらだら過ごした休日は、たっぷりのリラックスをもたらしたという事実。
その結果、週明け早々月曜の夕飯から『ひもじぃ』思いをさせられているという現実。
ふと鏡を見ると、睡眠不足が解消されつるっつるに生き返った肌が微笑んでいるという真実。
そうなのだ!!荒れて目もあてられなかった肌は、見事復活したのであった。
野菜室はからっぽだが、肌はつるつるしていた。
鏡の中で微笑む自分に負けた。
週末の不注意を許してやった。
うちの冷蔵庫の野菜食べちゃった人、怒らないから出てきていいよ。
怒らないから(¬ー¬) フフフ 絶対に怒らないから・・・

*1:遣らずの雨(やらず-の-あめ):まるで訪ねて来た恋人を引き止めるかのように降ってくる雨の意

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